財務コンサルタント vs 税理士を見て思うこと

<俯瞰した立場で好きなように言わせてもらいます>

とある財務コンサルタントを名乗る方がXで税理士に対してレベルの低い財務アドバイスをしているという指摘からタイトル通りのリプ合戦が繰り広げられていますね。

人物を特定することになるので、具体的な指摘事項はあえて引用しません。
内容云々より最初に税理士を相手取ったやり方がまずかったとしか言いようがありません。
敵を作っていいこと無いのに、人物を特定されるアカウントでそのツイートをしている時点で、
そもそも本当にコンサルタントという問題解決が専門の仕事ができているんですか?とは正直言いたくはなりますが。

しかしながら感情抜きにすれば、良い問題提起だと思いました。
財務と税務は違うという点。

恐れながら、私は中小企業の役員として事業会社の”財務”を担当しながら、顧問税理士の立場として”税務”も見ているわけですから、常日頃から”財務”と”税務”の違いについて考えています。

結論
・税務顧問との同時進行がしんどいです。
・仮に財務コンサルができたとしても見合う対価を払える顧客がどれだけいるのか問題。

理由1
税務顧問との同時進行がしんどい

そもそも全国的に財務コンサルタントができるを売りにしている税理士はいます。
その方々は両方やるのはしんどいので、税務と財務で部門を分けていると聞きました。

私も最初はひとりでできると思って走り出しましたが、記帳チェック~税務申告・届出~財務アドバイスをひとりでするのはマジでしんどいです。

工数がえぐいえぐい。

理由2
仮にできたとして見合う対価をどれだけ払えるのか

ひとりで最初やっていて気づいたんですよね。
これ本当に完璧にやろうと思ったら、最低10万円は無いと収支合わないわと。
先も書きました、工数がやっぱりかかるんですよ。
私も飯を食ってかないといけませんから、それなりのフィーをもらわないとできません。

これは決めつけですが、本当の意味での財務コンサルタントをやっている人は少ないと思います。
大抵、予実分析を通しての社長に対する注意喚起で高額な月額料金をもらっているケースがほとんどかと。

  • 金融機関に顔が利く。
  • ファンドから金を引っ張ってこれる。
  • M&Aのスキームを描く。

勿論他の形もありますが、本当の意味での財務コンサルタントって私は上記の通りだと考えています。

  • 借り換えの検討・打診
  • 資金繰り表の作成
  • 予実管理

ではよく聞く財務コンサルのこれらのイメージを税務顧問やりながらできますか?
できたとして、かなり多くの工数がかかりそうですよね?
それは理由1で述べた通り。

そのうえでこの3つに対して10万円以上払ってくれる、価値を感じてくれる顧客がどれだけいると思いますか?
税理士報酬ですら低価格化が進む今日、ここに固定費をかけると思います?

ですから、相手取るなら、
財務コンサルタントを提供かつ顧問料が月10万円を超えている税理士様に言いたい!
と対象を限定してください。

ほとんどの税理士にとっては、やりたくても収支が合わないからやってないし、そもそも財務コンサルタントが必要な顧客が少ないです。

え?小規模でもキャッシュフロー経営だ?
じゃあやってみてください。
まず領収書すらしっかり出てこないケースがあるし、顧客が協力しないと予実分析に必要な資料は集まりませんよ?
なんなら財務コンサルのために事務員に負担をかけて人件費増えるかもですね。

とヒートアップしてきたところでやめておきます。